時間を効率的に使うノウハウを知りたい、より多くのタスクをこなして、充実した毎日にしたい。そう思ってこの本を手に取りました。
しかし、本書はただのハウツー本ではありませんでした。
私はどんな人生を生きたいのか、そしてどんな時間の使い方をしたいのかを考えさせてくれる本でした。
読み終えてまず感じたのは、「今この瞬間に流れていく1分1秒を、無駄にしたくない・・・!」という思い。
時間に関する考え方を、根底から気持ちよくひっくり返されました。
『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』(二間瀬敏史・吉武麻子/朝日新聞出版)
本書の冒頭は、宇宙の誕生や相対性理論の話から始まります。
かなり優しく書かれているので、文系の私にもわかりやすかったです。私は、時間とはいつでもどこでも同じように流れていると思っていました。しかし、「時間の感じ方」も科学の発展と共に進歩しています。人によってはゆっくりに感じたり、早く感じたりすることがあります。
そこで、時間に追われる感覚を無くし、時間の感覚を心地よいものにしていこうというのが本書の主旨です。
よくある時短・効率化テクニックとは似て非なるもので、何分生み出せるか、というよりも、自分の感じ方を変えるにはどうすべきか、という視点で書かれているのがとても良いです。
例えば、
仕事を効率的に終わらせるための、タスクリストの活用法。やるべきことを羅列したtodoリストでは「時間に追われている感」が増すばかりです。
タスクリストには、
- いつ作業するのか
- 締切はいつか
- 作業にかかる時間の見積もりはどのくらいか
- 実際どのくらいの時間がかかったか
なども一緒に記入します。そうすることで集中力が上がり、「間に合わせよう」という意識がより強く働き、目標達成率が上がるそうです。
また、時間のしがらみから自由になる方法。
本書では「やりたいことをする時間がないという思いは、世間体や思い込みによって生まれたものであり、自分の意思で時間の使い方を変えることは可能だ」と言っています。
- 忙しい人は仕事ができる
- スケジュールが埋まっているほうが充実している
- マルチタスクが時間を生む
- たくさん働かないと稼げない
これらは全て自分の勝手な思い込みであり、手放すことが可能です。
私は、今日という1日をどう使いたいのか?を真剣に考えたくなります。
『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』(二間瀬敏史・吉武麻子/朝日新聞出版)
余談ですが、本書では「大切な人との残り時間」も紹介されています。25〜29歳の人が別居する母親と対面で話すことができる時間は、なんと残り42.3日間。
少ない!と思いますよね。
一緒に過ごせる1分1秒を大事にしたいなあと、考えさせられました。
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